坪倉優介さんの本を読みました。
「記憶喪失になったぼくが見た世界」
彼は、大阪芸術大学の学生の時、バイク事故で記憶喪失になります。
以前、私がテレビのドラマで見た記憶喪失の状態とは違いました。
ドラマでは段々、少しづつ、記憶が戻ってきました。
優介さんは、家族や友人の事はもとより、
自分の事も、
目、口、家、硬貨、紙幣、スニーカーなど物の名前、
名詞だけでなく、動詞も。
感情の表現、行動の意味づけ、
まるで生まれたばかりの赤ちゃんの様に
記憶がリセットされてしまいました。
「見える」けれど、それが何なのかわからない。
わからないと、物を触れない、進めない、動けない。
そして、意味のわからない言葉は雑音でしかない。
想像できない世界です。
なぜ夜は寝て、朝は起きなくてはならないのか?
それを説明するお母さんも大変だったでしょうね。
とても印象的なところがありました。
「口が大きく開いて、体が揺れているお母さんを見ると安心する」
「目や口を小さく細くした顔をみるのは嫌だ」
つまり、お母さんの笑顔を見ていると安心する、素敵だ、自分もそうありたい。
心配している顔、泣いてる顔は見たくない、と感じている。
赤ちゃんもそうなんでしょうね。
「母さん」という言葉に胸を熱くしている。
愛された記憶がちゃんとある。
人を愛して、育てる事は大切なんですよね💕
優介さんは、辛い体験の末に、社会的に自分の居場所を作り上げます。
「今ここに生きていることに自信が持てた」
この自信がベースにあるなあ、と思いました。
記憶喪失によって、地に足がついてない感覚に陥ってしまうでしょうが、
今ここに生きる事が復活の第一歩なんだと思います。
生きているといろんな事があります。
でも一人で生きているわけじゃない。
助けてくれる人、支えてくれる人はたくさんいる。
心をオープンにして、謙虚に受け入れる事で、豊かな人生にできそうだと、
優介さんの体験を通して学びました。
Only Oneの人生ですねえ‼︎
凄いです‼︎